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2017/07/22 無期転換ルール 有期契約労働者の8割以上内容を知らない

  連合(日本労働組合総連合会)は、今月20日、「有期契約労働者に関する調査報告」を掲載しました。

平成25年に改正労働契約法が施行され、同法第18条では、同じ事業主の元で契約更新が繰り返されて通算5年を超えた有期契約労働者は、本人の申し出によって無期雇用として働けることとされており、平成30年の4月1日から本格的に、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できる権利を有する労働者が生じることとなります。

そこで、連合は、本格的に無期労働契約への転換が始まる前に、有期契約労働者の改正労働契約法の認知状況や改正労働契約法についての考えを把握するため、平成25年に行った調査に続き2回目となる「有期契約労働者に関する調査」を本年4月21日~24日の4日間でインターネットリサーチにより実施。全国の20歳~59歳の有期契約労働者(週20時間以上労働する民間企業の有期契約労働者)1,000名の有効サンプルを集計したとのことです。

今回の調査によると、「無期労働契約への転換(第18条)」については、「ルールの内容まで知っていた」は15.9%にとどまり、「ルールができたことは知っているが、内容までは知らなかった」が32.9%、「ルールができたことを知らなかった」が51.2%で、これら2つを合計した『内容を知らなかった(計)』は84.1%となっています。

無期転換ルールに基づく申し込み権が本格的に発生するまで1年を切るなか、ルールの周知を図ることが大きな課題といえそうです。


70歳以上の方の高額療養費の上限を変更 協会けんぽからお知らせ
   協会けんぽから、今月20日、「70歳以上の方の高額療養費の上限額が変わります(平成29年8月診療分から)」というお知らせがありました。

高額療養費制度は、医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1か月(暦月:1日から末日まで)で上限額を超えた場合、その超えた額を、保険給付として支給する制度です。

上限額は、年齢と所得に応じて定められています。また、いくつかの条件を満たすことにより、負担をさらに軽減する仕組みも設けられています。

この上限額(自己負担限度額)について、全ての方が安心して医療を受けられる社会を維持するために、高齢者と若者の間での世代間公平が図られるよう、負担能力に応じたご負担をいただく必要があるということで、平成29年8月から、70歳以上の方に適用される上限額を見直すこととされました(69歳以下の方の上限額は変わりません)。

 詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/home/g3/cat320/sb3190/sbb3193/290719

なお、国民健康保険にも高額療養費制度が設けられており、同様の改正が行われます。健康保険の改正と併せてまとめられた資料が厚生労働省から公表されていますので、それも紹介しておきます。http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000158082.pdf

<高額療養費制度を利用される皆さまへ(平成29年8月から平成30年7月診療分までhttp://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12400000-Hokenkyoku/0000167493.pdf


東京オリパラ会場の建設社員が自殺 遺族が労災申請

「2020年東京オリンピック・パラリンピックの主会場、新国立競技場の建設工事に従事していた建設会社の20代の男性社員が自殺したのは、違法な長時間労働が原因だったとして、男性の両親が所轄の労働基準監督署に労災申請をしたことが、今月20日、明らかになった」という報道がありました。遺族側の代理人弁護士が記者会見を開き明らかにしたものです。

当該代理人によりますと、男性は昨年、大学を卒業し、都内の建設会社に就職して新国立競技場の工事現場で働いていましたが、今年3月に突然失踪し、自殺してしまったとのことです。失踪直前の1か月の残業時間は200時間にも上り、違法な長時間労働による精神障害が自殺の原因だと主張しています。

会社側は、違法な長時間労働だったと認め、「真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」とコメントしているようです。

新国立競技場を巡っては、予算・デザインの変更で、当初の予定より1年2カ月遅れで去年12月に工事がスタート。工期は3年で、完成予定は2019年11月とされています。この工期などにも無理はなかったのか?波紋が広がりそうです。当該代理人は、大会組織委員会や東京都などに対し改善措置を求める方針も明らかにしているようです。

建設業でも働き方改革を進めようということで、建設産業の担い手確保・育成に向けた取組として、技能労働者の「適切な賃金水準の確保」、「社会保険等の加入徹底」、「建設業における休日の拡大(週休2日の確保等による不稼働日等を踏まえた適正な工期設定の推進)」などの措置を講じていくことなどが打ち出されています。また、時間外労働の上限規制にどのように対応していくかなども議論されています(今年8月には、関係省庁連絡会議でガイドラインの策定等の具体的な取組について議論する予定)。

〔参考〕今年6月29日に開催された第1回連絡会議(建設業)の配布資料から、「建設業における働き方改革について(国交省)など」を紹介しておきます。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/kensetsu_jidousya/dai1/haifusiryou_kensetsu.pdf

 

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