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2017/07/05 「過労死ライン」を超えた残業、死亡男性に労災認定

食品物流を専門とする運送会社に勤務し、平成27年に虚血性心不全で死亡した男性について、所轄の労働基準監督署が、長時間労働が原因として労災認定していたことが、今月4日にわかった。」という報道がありました。

遺族側が記者会見を開き明らかにしたものです。
遺族側によると、男性は同社から関連会社に運行管理者として出向。人手不足のときには自ら運転することもあり、1日12時間ほどの勤務が常態化。休日にも問い合わせの電話などに対応していたといいます。

労働基準監督署が認定した発症前の直近1か月の残業時間は108時間42分で、国の「過労死ライン」を超えていたとのことです。会社の担当者は「事実確認の上、適切に対応したい」とコメントしたそうです。

最近、新聞などの報道で、「過労死ライン」という言葉をよく聞きますね。これは、労災保険の業務災害の認定基準の一つである『脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準』における過重負荷の有無の判断の一つです。具体的には、次のように規定されています。

<労働時間の評価の目安>
 疲労の蓄積をもたらす最も重要な要因と考えられる労働時間に着目すると、その時間が長いほど、業務の過重性が増すところであり、具体的には、発症日を起点とした1か月単位の連続した期間をみて、

1.発症前1か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね45時間を超える時間外労働が認められない場合は、業務と発症との関連性が弱いが、おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できること

2.発症前1か月間におおむね100時間又は発症前2か月間ないし6か月間にわたって、1か月当たりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合は、業務と発症との関連性が強いと評価できること を踏まえて判断する。 〈補足〉ここでいう時間外労働時間数は、1週間当たり40時間を超えて労働した時間数である。

上記の2.の部分が「過労死ライン」となります。
なお、このラインを超えないようにするのは当然のことですが、上記1.に書かれているとおり、「おおむね45時間を超えて時間外労働時間が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に強まると評価できる」とされています。残業時間が45時間を超えるようなら、労使双方で残業時間が増えないように工夫するなど、その社員の健康に配慮した措置をとる必要があります。

参考までに、この認定基準のパンフレットを紹介します。
http://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/040325-11.html


 92.9%の建設業者が社会保険等に加入(国交省)
 
国土交通省では、平成24年11月から、建設業者の社会保険等加入状況を半期毎に取りまとめています。

このたび、平成24年11月から本年3月末までの状況が取りまとめられ、公表されました。これによると、本年3月末までに建設業許可担当部局が事業者から受けた建設業許可申請等のうち、「92.9%」について事業者の社会保険等への加入を確認したとのことです。

昨年9月までに比べ0.2ポイント増加ということで、国土交通省・都道府県の建設業許可担当部局による「未加入業者に対する加入指導」、「加入指導に従わない未加入業者の厚生労働省の社会保険等担当部局への通報」などの取組みの効果が表れているようです。
  
 詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo13_hh_000514.html

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