平成29年5月12日、第134回労働政策審議会労働条件分科会が開催され、時間外労働の上限規制等について審議がなされました。
5月12日は、長時間外労働をさせた場合の規制、同一労働同一賃金についてのそれぞれの分科会で話し合われました。
【長時間外労働をさせた場合の規制等についての審議会レポート】
厚労省事務局が示した「働き方改革実行計画」に基づいた考え方
1.勤務間インターバル
労働時間等設定改善法に勤務間インターバル導入を努力義務として新設指針にも労使で導入に向けた具体的
な方策を検討すること等を追加
2.長時間労働に対する健康確保措置
①実行計画で適用除外とされた新技術・研究開発業務について
・現行制度で対象範囲となっている範囲を超えた職種に拡大させないよう対象を明確化
・単月100時間超(時間外・休日労働含め)の場合
医師の面接指導は義務(罰則あり、本人の申出なし)
面接指導に基づき行う就業上の措置内容に代替休暇付与を追加
②一般職を含めた措置(安衛法66条8の長時間労働に関する面接指導)
・現行の100時間超を80時間超に改正(本人の申出あり、罰則なし)
③すべての労働者を対象として客観的な方法による労働時間の把握を厚生省令で義務付け
3.改正法の施行期日は、年度の初日からとする
前回の分科会(4/28)のレポートにまとめた内容については、今回は事務局案として正式に提示されました。(資料では、語尾が断定に修正されています)
労働側委員からは、労働時間の適正把握のために客観的な方法を導入する場合、IT化が進んだ現在であれば事業場外みなし対象者も含め、すべての労働者の労働時間を適正に把握することが可能であることを踏まえ、例外を作らないことや、100時間超の罰則付きの医師面接義務化については、研究職だけでなくすべての労働者を対象とすべきではないか等の意見が出ていました。
一方、使用者側委員からは、労働時間の客観的方法での把握については、設備投資等で費用が掛かるため、中小企業への補助を検討してほしいこと、オリンピック・パラリンピックのために業務が増えている業種への考慮をして改正法の施行期日を決めてもらいたい、医師面接については産業医の選任義務のない事業場への対応や産業医が不足している現状への対応について等の要請がありました。
秋の臨時国会に「働き方改革実行計画」に基づいて法案を提出ということで改正法の内容が明らかになってきています。今後も、改正法の内容について随時、ご案内してまいります。
第134回労働政策審議会労働条件分科会資料
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000164677.html
時間外労働の上限規制審議会
http://www.psrn.jp/topics/sonota/006923.php