財務省は、今月26日、「財務局調査による『賃金の動向』について」を公表しました。
これは、平成29年の春闘結果等を踏まえた賃金引上げ状況等を把握するため、各財務局において管内の企業等を対象にヒアリング調査を実施し、その結果をまとめたものです(調査期間:本年3月中旬~4月中旬。調査対象:全国計1,388社。調査方法:各財務局によるヒアリング調査)。
調査のポイントは、次のとおりです。
・今年度、ベースアップを行って賃金を引き上げるとした企業は前の年度より2.1ポイント低い39.6%。
・ベアの幅は、前の年度を上回るという回答は大企業は26.4%、中小企業では31.9%。(多くの中小企業が賃上げに積極的だった)
・ベアのほか一時金や定期昇給なども含めて全体として賃上げを行うとした企業は前の年度より0.9ポイント下がったものの92.8%。(高水準を維持)
・賃金引上げを行う理由(複数回答)については、「社員のモチベーションの向上、待遇改善」が最も多く、次いで「人材の確保」、「業績(収益)好調」などとなっている。
・賃金引上げを行う理由について増加幅をみると、「人材の確保」のためと答えた企業の増加が目立ち、前の年度の31.6%から38.2%に増加。(人手不足が背景にある)
報道でも取り上げれていますが、財務省は、「賃上げの動きが大企業から中小企業に広がっているが、今回の結果からは、賃金を上げないと人が集まらない、人手不足の傾向が強まっていることが鮮明になった」とコメントしているようです。最近、人手不足という問題がクローズアップされる機会が増えていますね。 各企業にとって、「人材の確保」は、真剣に考えなければならない課題といえます。
詳しくは、こちらをご覧ください。http://www.mof.go.jp/about_mof/zaimu/kannai/201701/tinginnodoukou085.pdf
自殺者減の目標を10年間で3割減 勤務問題による対策も更に推進(厚労省)
厚生労働省は、今月26日、「新たな自殺総合対策の在り方に関する検討会(第6回)」を開催しました。
同検討会では、国の指標となる「自殺総合対策大綱」を見直すための検討が行われていますが、今回、報告書の案が提示されました。
その中で、大綱に定める数値目標について、「今後10年間で、先進諸国の現在の水準まで減少することを目指し、自殺死亡率を平成27年比で30%以上減少」と定めることが示されました。(平成27年18.5% ⇒ 13.0%以下)
前回の大綱では、「10年で自殺死亡率を20%以上減少」という数値目標が設定され、結果は、23.6%減少と目標を達成しています。(平成17年24.2% ⇒ 平成27年18.5%)
個別施策としては、「勤務問題による自殺対策の更なる推進」として、
・「働き方改革実行計画」も踏まえて長時間労働の是正やパワーハラスメントの防止等を推進
・職場におけるメンタルヘルス対策の推進
・産業保健と地域保健の連携を推進
といった施策も示されています。厚生労働省は、報告書を踏まえて新たな大綱案を策定し、今夏の閣議決定を目指しています。目標達成のため、具体的にどのような施策が講じられることになるのか、今後の動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000163390.html
※全体像は、「資料1 報告書(案)の概要」で把握できます。