今月23日、厚生労働省は、「ユースエール認定制度(若者の採用・育成に積極的で、若者の雇用管理の状況などが優良な中小企業を厚生労働大臣が認定する制度)」について、本年4月1日から認定基準を変更する予定であることを公表しました。
変更点は、認定基準のうち、労働時間、離職率、有給休暇の基準です。たとえば、労働時間については、次のように変更される予定です。
☑旧基準
直近事業年度の①正社員の所定外労働時間月平均が20時間以下又は➁正社員のうち、週平均の労働時間が60時間以上の者の割合が5%以下
☑新基準
直近事業年度の①正社員の所定外労働時間月平均が20時間以下かつ➁月平均の法定時間外労働60時間以上の正社員ゼロ
この労働時間の基準は、かなり厳しくなる印象を受けますね。
なお、厚生労働省は、従業員の仕事と育児の両立を支援する企業を対象とする「くるみん認定制度」、女性の活躍推進に積極的な企業を対象とする「えるぼし認定制度」についても、本年4月1日から要件を厳格化することを予定しているとのことです。
その背景には、くるみん認定制度について、昨年、認定を受けていた企業(大手広告代理店)の社員が過労自殺し、その企業が認定を返上したことや、認定を受けていた企業(大手家電メーカーの工場)で違法な長時間労働があり、今月、その企業が書類送検されたことなどがあるようです。
認定を受けた企業でこのような事態が起こるのであれば、認定に対する信頼は低下します。認定基準を厳しくするというのは当然の流れといえます。
いずれも、厚生労働省令の改正を行う必要がありますが、その準備作業(労働政策審議会への諮問など)が進んでいます。既に認定を受けている企業に対する経過措置も規定されるようです。正式に決まりましたらまたお伝えします。
「ユースエール認定制度」の認定基準の変更については、リーフレットが公表されています。下記をご覧ください。http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000156043.pdf