厚労省は平成28年2月23日付で、「事業場における治療と職業生活の両立支援のためのガイドライン」を公表しました。
「治療と職業生活の両立等支援事業」(平成25年度厚生労働省委託事業)における企業を対象に実施したアンケート調査によれば、疾病を理由として1か月以上連続して休業している従業員がいる企業の割合は、メンタルヘルスが38%、がんが21%、脳血管疾患が12%となっており、また、「平成22年国民生活基礎調査」に基づく推計によれば、仕事を持ちながら、がんで通院している者の数は、32.5 万人に上っています。このような現状を踏まえ、ガイドラインは、職場における意識啓発のための研修や治療と職業生活を両立しやすい休暇制度・勤務制度の導入などの環境整備、治療と職業生活の両立支援の進め方に加え、特に「がん」について留意すべき事項をとりまとめたものになっています。
【ガイドラインのポイント】
1.治療と職業生活の両立支援を行うための環境整備
・ 労働者や管理職に対する研修などによる意識啓発
・ 労働者が安心して相談・申出を行える相談窓口を明確化
・ 時間単位の休暇制度、時差出勤制度などを検討・導入
・ 主治医に対して業務内容などを提供するための様式や、主治医から
就業上の措置などに関する意見を求めるための様式を整備
2.治療と職業生活の両立支援の進め方
・ 労働者が事業者に支援を求める申出(主治医による配慮事項などに
関する意見書を提出)
・ 事業者が必要な措置や配慮について産業医などから意見を聴取
・事業者が就業上の措置などを決定・実施(「両立支援プラン」の作成が
望ましい) 3.がんに関する留意事項
・ 治療の長期化や予期せぬ副作用による影響に応じた対応の必要性
・ がんの診断を受けた労働者のメンタルヘルス面へ配慮
詳細は、下記サイトでご確認下さい。
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000113365.html