財政状況が悪化している厚生年金基金の解散の促進を柱とした年金制度改革関連法案が、6月19日午前の参議院本会議で自民、民主両党などの賛成多数で可決・成立しました。
改正法は、厚生年金基金全体のおよそ4割を占める、積立金が不足している代行割れ基金を5年以内に解散せ、母体企業に代行部分を返還させます。また、5年を過ぎても資産が基準額に満たない基金には厚労相が解散命令を出せるため、全体の9割が存続しない見通しです。一方で、基金全廃方針を撤回し、財政が健全とされる約1割の基金は存続を認めましたが、民主党が求めていた「10年以内に、存続基金は解散するか他の企業年金に移行するよう検討する」との付則も加えました。
このほか、夫がサラリーマンを辞めた時に国民年金への資格変更の手続きを行っていなかった専業主婦への救済策も盛り込みました。切り替えを忘れていた期間を保険料は未納だが年金に加入はしていたものとして扱い、過去10年分の保険料の追納を認めます。
日本生命 男性の育児休業 原則全員取得へ 日本生命保険は6月19日、今年度から、子どもが生まれた男性職員全員を対象に、1週間程度の育児休暇を取得させることを明らかにしました。まずは来年3月末で利用期限が切れる約200人を対象に、有給扱いとなる1週間分の休暇を消化するように求めます。
厚生労働省によると、2011年度の育休取得率は女性の87.8%に対し男性はわずか2.6%にとどまっています。同社の12年度の取得率は約1%でした。男性の全員取得を目指す取り組みを実施するのは大企業では珍しく、男性の育児参加を促す同社の取り組みは注目されます。
全員取得の実現に向けて、上司は対象者と面談し、業務を調整しながらいつ休めるかを具体的に提案します。また、育児休業を取得した男性から効率的な働き方や休暇中の体験談を集めて社内投票を実施。多くの共感を得た職員にはセミナーで体験談を語ってもらう仕組みも設けます。