厚生労働省の調査により、介護職員の賃金改善のために昨年4月に介護報酬が引き上げられた結果、常勤の介護職員の給与の平均は約27万5000円となり、1年前より6千円近く上がったことが分かりました。
人手不足が深刻な介護職員を確保するため、厚生労働省は、去年4月の介護報酬の改定で、報酬を全体で1.2%引き上げ、職員の賃金を引き上げる事業者に、報酬を加算する新たな仕組みを設けました。今回、この仕組みの効果を検証するため、厚生労働省は、去年10月、全国の7,300か所余りの施設や事業所を対象に介護職員の賃金について調査し、その結果を社会保障審議会の調査委員会に報告しました。
それによると、新たな加算の仕組みを利用した事業所は全体の9割弱で、こうした事業所で働く常勤の介護職員の給与は、去年9月の平均で27万5000円で、前年比5880円上がったことが明らかとなりました。国が打ち出した処遇改善策で一定の効果が表れていると、厚生労働省はみています。
政府の成長戦略構想 会社法の改正や助成金の見直しも
政府は、2017年度までの今後5年間を緊急構造改革期間とする成長戦略についてまとめました。その中で、政府は22日の産業競争力会議で策定を表明した「産業競争力強化法」(仮称)について、8月末までに概要を固め今秋の臨時国会に提出するとしています。産業競争力強化法は(1)民間投資の拡大(2)新市場の開拓(3)事業再編の促進を柱として、リース手法を活用して先端機器を借りやすくする環境を整備し、減税措置で企業の初期投資を抑えて設備投資を促進することを盛り込みます。また、企業統治の強化策として、社外取締役の導入を原則とする会社法改正案についても国会に提出する方針です。
一方、雇用についても、ハローワークの求人情報を民間に開放し、人材会社でも閲覧可能にするとともに、女性の登用や子育てとの両立支援に積極的な企業には、2014年度から助成金や税制優遇で支援するとしています。転職を促す労働移動支援助成金が2015年度には、雇用の維持のための雇用調整助成金を上回るようにするといった方向で産業復興プランをまとめています。