2013/02/12 厚生年金基金、約1割が存続見込みへ
2013年2月8日、政府は企業年金の一種の、厚生年金基金制度を存続させる方針を決定しました。2012年にAIJ投資顧問による年金資産消失事件を踏まえて厚生労働省は制度の全廃案を提示し、厚生労働省社会保障審議会年金部会の専門委員会も1日、廃止を「妥当」とし、存続論を少数意見とする意見書をまとめていましたが、同省は自民党内の「運営が健全な基金まで一律に廃止するのはおかしい」との批判を受けて方針を変更しました。
存続についての基準は強化されます。専門委員会は最低限の条件として、厚生年金の支給に必要な資金の1.5倍の資産保有を挙げています。厚労省の試算では約570ある基金のうち、全体の9%にあたる49基金が条件を満たすこととなります。今国会に厚生年金法改正案が提出される予定です。
安倍首相、経済団体と意見交換会 安倍首相は、2013年2月12日昼にデフレ脱却に向け経団連会長ら経済3団体の幹部と官邸で「デフレ脱却に向けた経済界との意見交換会」を開き、賃金引き上げやボーナスの支給などで従業員の賃金引き上げへの協力を求める方針を決めました。
2013年春闘では日本労働組合総連合会(連合)が給与総額等の引き上げを求めていますが、経営側は慎重姿勢です。首相は賃上げへの協力を経済界に直接要請し、金融緩和などの成長戦略を進める安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成果を暮らしに浸透させる目的です。意見交換会には経団連の米倉弘昌会長と日本商工会議所の岡村正会頭、経済同友会の長谷川閑史代表幹事が出席します。