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2012/08/13 北海道内4万人に年金通知ミス

  北海道内の年金受給者に送付された8月分の「年金振込通知書」約70万通のうち、約4万通の振込先や支給額に記載ミスがあったことが10日、分かりました。すべて札幌市中央区と東区内の年金受給者で、他人の基礎年金番号や振込先、支給額などが記されていたということです。

機構によると、記載ミスがあったのは、8月の年金額に変更がある両区の受給者の一部に送った通知書。機構では、正しい表示の通知書を15日までに再送付し、記載ミスのあった通知書を同封する返信用封筒で回収する考えですが、いずれにしても8月分の支給は適正に行われるとしています。

通知書の印刷業務を受託した印刷会社はプログラムミスを原因に挙げています。誤った項目は、基礎年金番号や振込先の金融機関名、年金額などで、口座番号は記されていないということです。他人の情報が誤記載されていることについて、機構は「受け取った人には誰のものか特定はできない」と説明しています。

通知を受け取った人から「自分の指定している口座ではない」といった問い合わせが、9日に札幌市内の年金事務所や相談センターに相次いだため、機構が調べたところ、記載ミスが判明しました。問い合わせは、電話だけでなく、直接相談に訪れた人も多く、同日だけで少なくとも700~800件に上りました。これとは別に有料の「ねんきんダイヤル」へも多数の問い合わせがあったとみられます。

機構広報室は「ミスを指摘していただいた方々に交通費や電話代は出せず、申し訳ないと言うしかない。印刷業者には確認の徹底などの再発防止を指導する」としています。


厚生年金、国民年金ともに黒字 11年度収支決算 

  厚生労働省は10日、年金特別会計の2011年度収支決算(時価ベース)を発表しました。サラリーマンらが加入する厚生年金は2兆9106億円の黒字となり、前年度2682億円の赤字から改善。自営業者らが加入する国民年金も1980億円の黒字と3年連続で黒字でした。東日本大震災の影響が大きかった前年度と比べ、国内外の株価が上昇するなどし、積立金の運用収入がプラスになったのが寄与しました。
 
厚生年金3069億円、国民年金194億円の運用損となった前年度から一転、11年度は厚生年金2兆4201億円、国民年金1662億円の運用益を記録しました。厚生年金の積立金残高は前年度比2兆6542億円減の111兆4990億円となっています。


クボタ石綿訴訟 周辺住民の健康被害、初認定/神戸地裁 

 大手機械メーカー、クボタ旧神崎工場(兵庫県尼崎市)の周辺住民2人の中皮腫による死亡について、同工場から飛散したアスベスト(石綿)が原因として遺族がクボタと国を相手取り、計約7900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が2012年8月7日、神戸地裁で行われました。小西義博裁判長は1人については「飛散した石綿に曝露した」と認定し、クボタに約3195万円の賠償を命じ、国への請求は棄却しました。
 
工場労働者や運搬作業員以外に、周辺住民の石綿による健康被害に対し企業の責任を裁判所が認めたのは初めてとなります。原告は、旧神崎工場から約200メートル離れた別の工場に勤務していた山内孝次郎さん(平成8年死亡、当時80歳)と、約1キロ離れた地区に住んでいた保井綾子さん(平成19年死亡、当時85歳)の遺族4人です。クボタは被害発覚後、周辺住民らに最高4600万円の救済金を支払ってきたが遺族らは受け取らず「責任を認めて謝罪してほしい」として提訴していました。
 
判決理由で、小西裁判長は運搬時の破れた麻袋からの漏出▽建物開放部からの飛散▽集塵(しゅうじん)機の性能の限界などから「工場敷地外への飛散を十分に防ぐことができていなかった」と認定。中皮腫を発症した周辺住民の居住地と神崎工場までの距離などを研究した学術論文に基づき、山内さんについては「発生源が旧神崎工場と推認させる」としてクボタの責任を認定した。保井さんについては、居住地が離れており「関連性があると断定できない」と判断しました。
 
この神戸地裁判決を受け2012年8月9日、原告や弁護士によって東京・永田町の衆院第1議員会館で開かれた報告会には、国会議員6人を含む約20人が出席し、原告側の八木和也・弁護団事務局長らが、被害の実態や今回の判決の内容を説明しました。山内さんの長男康民さん(64歳)は「クボタと、石綿の危険性を知りながら規制しなかった国は、被害がこれほど大きくなった責任を取ってほしい」と議員らに訴えました。


 

 

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