京都と宮城県でも報告されていたことが分かり、厚生労働省は特定の地域や事業所に限らず問題が全国的に拡大する可能性があると判断し、近く全国の事業所を対象に実態調査する方針を決定しました。
この問題では、北九州市の産業医科大の熊谷信二准教授が、印刷会社で使われた洗浄剤に含まれる有機溶剤が発症原因の可能性を指摘していますが、因果関係はまだはっきりしていません。厚生労働省が原因物質の特定の前に全国調査を開始するのは異例のことで、厚生労働省はアスベスト(石綿)の健康被害と同様に問題が拡大する可能性もあるとみています。
総務省の統計によると、全国の印刷会社は約1万8千社で、校正印刷を主とする会社は約150社に上るとのことです。
社会保障と税の一体改革、新法案提出見送りか
民主、自民、公明3党は2012年6月11日夕方、消費増税を含む社会保障と税の一体改革関連法案について社会保障に関する3回目の分科会を衆院議員会館で開き、修正協議を継続しました。
最低保障年金などの扱いが焦点となっていますが、民主党は、将来の年金・医療制度は「社会保障制度改革国民会議」に委ねるとした自民党の対案に前向きに応じる姿勢です。これについて、自公両党は最低保障年金創設や後期高齢者医療制度廃止の白紙化を明確にするため、政府が2月に閣議決定した一体改革大綱を撤回するよう求めています。
2012年6月11日の衆院一体改革特別委員会で、岡田克也副総理は公明党の坂口力元厚生労働相の質問に答え、「(民自公の)協議の結果がそれと異なるなら、協議の結果が優先される」と述べ、3党協議の結果を尊重すべきとの方針を強調しました。