AIJ投資顧問の年金資産消失事件を受け、27日、厚生労働省の有識者会議がまとめた厚生年金基金制度に関する最終報告書案全容が判明しました。財政健全化の見込みが立たない厚年基金については、厚生労働相の解散命令を積極的に発動することや、解散要件緩和を打ち出しました。29日の会議で提示します。
企業年金の一種の厚年基金は、公的年金である厚生年金の一部を代行運用しています。財政悪化に苦しむ厚年基金に厳しい姿勢を打ち出すのは、早期解散へ誘導することで、厚生年金本体に大きな影響が及ぶのを避ける狙いです。厚労省はさらに検討を加え、関連法改正案を来年の通常国会に提出する方針。
精神障害者も雇用確保を…厚労省報告書案
障害者雇用について議論する厚生労働省の厚生労働省の研究会が26日開かれ、同省は企業などに新たに精神障害者の雇用を義務づけることが適当とする報告書案を示しました。 義務づけには労使の代表で構成する厚労相の諮問機関・労働政策審議会の合意を得て、障害者雇用促進法を改正することが必要となります。
報告書案では、精神障害者の就職件数が増え、就労支援員のハローワークへの配置が進むなど支援策も拡充しているとし、義務づけが適当としました。対象は精神障害者保健福祉手帳を持つ統合失調症やそううつ病などの患者となります。 同法は身体、知的障害者の雇用を企業などに義務づけており、企業の法定雇用率は1・8%。雇用率は障害を持つ労働者と失業者が、全ての労働者と失業者に占める割合から計算します。精神障害者の雇用を義務づけると雇用率が上がるため、更なる雇用が求められる使用者側の反論も予想されます。