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2017/03/29 社会保障関係費3割超 働き方改革関連予算拡大

 

  今月27日、平成29年度予算が成立しました。内容は、当初の政府案のとおりです。予算の年度内成立は2年連続。

今回の予算は、一般会計総額が97兆4547億円と過去最大。年金、医療などの社会保障関係費が32兆4735億円に膨らみ、全体の3割超を占めています。防衛費も年々増加していますが、5兆1251億円となっています。社会保障関係に多くの予算を割いていることが分かります。

安倍首相は、予算成立について会見を行い、その冒頭で、感謝の言葉に続き「今回の予算は未来を拓く予算であります。無事に成立したことから、来月から雇用保険料率が下がり、働く皆さんの手取りが増えます。4年連続の賃上げとともに経済の好循環を力強く回し、デフレからの脱出速度を上げていきたいと思っています。」と述べました。


雇用保険料率は、予算が成立したことから、法改正などもスムーズに進むということで、会見のとおり、本年4月からの引き下げが事実上確定。労働者負担分は、1,000分の4から1000分の3になります。その他の社会保障関係費に目を向けると、育児休業給付の延長、働き方改革の推進などが図られます。
一方、国民の負担が増える改正も行われます。たとえば、健康保険などの70歳以上の高額療養費制度について、患者負担の上限額が引き上げられます。


「働き方改革の推進」には注目が集まります。その主要な施策を確認しておきましょう。

<主な施策>
☑生産性向上に向けた労働環境の整備
賃上げに向けた環境整備を支援するため、年功序列によらない能力評価制度を整え、賃金アップを図る企業への助成を創設。予算:39 億円(新規)【労働保険特別会計】

☑長時間労働の是正
長時間労働の是正に資するよう、勤務間インターバルを自発的に導入する中小企業への支援を実施。予算:4億円(新規)【労働保険特別会計】

☑同一労働・同一賃金の実現
同一労働・同一賃金をはじめとした非正規雇用労働者の待遇改善のため、正社員転換や処遇改善などに取り組む企業を支援。予算:670億円(28年度:410億円)【労働保険特別会計】

☑サービス等生産性向上IT導入支援事業
中小企業等の生産性向上を実現するため、バックオフィス業務等の効率化や新たな顧客獲得等の付加価値向上に資するITの導入を支援。予算:100億円(28年度補正関連事業)【中小企業庁】

今後、労働者や企業に資するための助成金などの詳細が続々と明らかになると思います。動向から目を離せません。

平成29年度の社会保障関係予算の全体像については、こちらをご覧ください。
 <社会保障関係予算>
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2017/seifuan29/13.pdf

<中小企業・小規模事業者関係予算>
http://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2017/pdf/chushokigyo1.pdf

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