厚生労働省は2月24日、年金制度改革案を自民党の厚労関係部会に示し、了承されました。物価や賃金が下がるデフレ時にも年金支給額を抑制する「マクロ経済スライド」については適用を断念し、その抑制幅を翌年度以降に繰り越して賃金や物価が大きく上昇した年度にまとめて適用するとしました。
また、パートなど短時間労働者の厚生年金への加入拡大を進めることや、国民年金に加入する女性を対象に出産前6週間と出産後8週間の保険料を免除する制度の導入案も盛り込みました。
アルコール検知器誤作動でバス運転手自殺 労災認める
飲酒検査でアルコール反応が出た3日後に自殺した京王電鉄バスの当時50代の男性運転手の遺族が労災認定を求めた訴訟の判決で、東京地裁は2月25日、「検査が誤っていたのに会社は男性に伝えず、解雇されるかもしれないと強いストレスを受けたのが自殺の原因」として労災と認めました。
判決によると、男性は2008年6~7月の間に2回、アルコール検査で「飲酒」と検知されました。同社には高濃度の反応があった場合に解雇できる規定があり、男性は4年前にも検知歴があったため、周囲に解雇になる不安を漏らし、2回目の検知の3日後に飛び降り自殺しました。
佐々木裁判長は、2回目の検査では朝の出勤時よりも出勤後の午後五時ごろの検査の方が高い数値が検知されており、検知器の誤作動の可能性があると指摘しました。そのうえで「会社は誤作動であると分かっていたはずなのに男性に伝えず、退職を強要するような対応をした」として自殺は「業務が原因」と結論づけました。
京王電鉄は「裁判の当事者ではなく、判決の内容を詳しく見ていないのでコメントできない」としています。