ホーム > トピックス(バックナンバー18) > 2015/08/05 平均残業109時間、24時間連続勤務など 労働環境是正へ

2015/08/05 平均残業109時間、24時間連続勤務など 労働環境是正へ

 ゼンショーホールディングスが運営する牛丼チェーン「すき家」の労働環境改善策を提言する第三者委員会(委員長・久保利英明弁護士)は31日、過重労働の実態と改善のための提言をまとめた報告書を同社に提出しました。

第三者委員会の調査報告書によると、店舗勤務歴のある社員の大半が24時間連続勤務を経験し、バイトを含めて恒常的に月500時間以上働いている人や2週間帰宅できなかった人もいました。またサービス残業に加え、6時間以上勤務しても休憩を取れないといった法令違反も慢性化し、平成24年度には社員の居眠り運転による交通事故が7件起きていたとしています。本社の社員で非管理職418人の今年4月の平均残業時間は109時間に上ったといいます。

問題が是正されなかった背景として、第三者委員会の委員長である久保利弁護士は「会社が短期間で急成長を遂げた成功体験から、幹部の間に過剰労働を容認する文化が根強く、法令を軽視していた」と指摘しました。

ゼンショーの小川賢太郎会長兼社長は会見で、「企業規模が大きくなり、事態を把握しきれていなかった。反省している」と述べ、今後は残業時間を月45時間に減らすほか、事業会社のゼンショーに社外役員を置いて経営監視を強める方針を示しました。


 上司のパワハラでうつ病に サントリーに賠償命令  サントリー(現サントリーホールディングス)で勤務していた男性が、上司のパワハラでうつ病になり、休職せざるを得なくなったとして、会社側に約2,400万円の損害賠償を求めていた訴訟で、東京地裁(本多知成裁判長)は31日、「上司の言動は指導として許される限度を超えていた」とし、約290万円の支払いを命じました。

判決によると、男性は2006年4月に配属されたグループで指示通りの成果を残せず、上司から「新入社員以下だ。もう任せられない」「何で分からない。おまえはばか」などと言われていました。2007年4月にうつ病と診断され、上司に休職を願い出たところ「有給休暇で消化してくれ」「休みを取るなら異動の話が白紙になる」などと返答され、男性は同年6月に別部署に異動後、2008年7月まで休職しました。

本多知成裁判長は「上司の言動でうつ病を発症し、回復のため速やかに休職する機会も奪われた」と指摘し、違法な対応だったとの判断を示しました。

ページ上部へ